産休手当・育休手当の手続きと計算方法

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実際の金額とスケジュールや知っておくべき制度も!いくらもらえる?いつもらえる?どうやったら増やせる?わからなことだらけな産休手当と育休手当。書類申請も非常に煩雑です。実体験をもとに計算方法と必要な書類、振込みスケジュールをまとめました。

 

出産・産休・育休でもらえるお金

まず抑えておきたい、休業中に支給されるお金の種類を紹介します。

給付金の種類

①出産一時金

出産したことで支給されるお金。妊娠4ヵ月(85日)以上で出産したとき、一児につき42万円支給されます。双子ちゃんの場合は84万円です。病院の精算時に適用する直接支払い制度と、一旦自己負担で全額払い後に健保から振り込んでもらう受取代理制度があります。経済的余裕があり、クレジットカードのポイントを貯めたいのであれば後者が良いでしょう。

※区や健保で付加金は後日申請、振込になります。病院の支払い時に適用できません。

②出産手当金

産前・産後の産前産後休業を対象に支給されるお金で、「賃金月額(休業前給与平均)」の67%です。産休は産前が予定日より42日前から出産日(多胎の場合は98日前)、産後は出産日の翌日から56日です。予定日超過の場合は多くもらえ、早産だと少なくなります。計画無痛や帝王切開で予定日が本来と変わっていても、最後の月経から計算される本来の予定日となります。

③育児休業給付金

育休中に支給されるお金で、通常1歳まで休みを取得・給付できますが、保育園などに預けられない場合は2歳まで延長できます。子どもが6ヶ月になるまでは「賃金月額」の67%、それ以降は50%支給されます。

※産休手当、育休手当は育休前の2年間で、1ヶ月に11日以上働いた月が12カ月以上ある必要があります。パートタイマーの方は要注意です。

 

産休手当・育休手当の計算方法

基準となる「賃金月額」は、産休前に11日以上働いた6ヶ月の平均額面です。つまり天引き前の金額で、残業代、休日出勤手当、交通費は入ります。また出勤日数に有給で全休をした日もカウントされます。

また支給金額には上限があります。「賃金月額」が449,700円をいくら超えても449,700円となります。つまり、1か月あたりの産休・育休手当が67%は301,299円、50%で224,850円になります。

こちらのサイトで支給額、休業期間を計算するのがわかりやすくてオススメです。

期間・金額計算ツール>

 

産休手当・育休手当を多くもらうために

予定日と休みに入るタイミングは月の中でもバラバラですが、賃金月額はその月単位になるため、ちゃんと計算をしておかないと後々受け取る産休手当・育休手当が万単位で変わります。なるべく多くもらうためにできることは以下です(あくまでも手段であって推奨するわけではありません。)。

①無理でなければ残業する

②半休を適用しつつ出勤をする(残業手当をつける)

③産休直前の月を満額にする

特に大切なのは③産休直前の月を満額にするです。月25万もらっている人が最終月12日働いて産休に入った場合、賃金月額は25万→22.8万にダウン。67%の時で毎月1.47万円も減ってしまうのです。

また、計算の注意が必要なのは、基本給・固定給は当月支払いで残業代・欠勤控除は翌月支払いになることです。つまり残業代で稼ぐのは休業に入る前々月まででないと意味がありません。

 

予定日ごとの計算例

予定日ごとの計算例と対応方法をご紹介します。

4/1が予定日の場合

2/17から産前休業、2月の出勤日数は11日を超えるため7~2月の平均額面

2月分が少なめになります。なるべく多くもらうためには月末まで有給を適用して2月の額面を増やすと良いでしょう。産休に入るタイミングを遅らせるか、出勤日数を10日になるよう欠勤することで2月は査定額から外す方法もあります。

・4/14が予定日の場合

3/2から産前休業、3月の出勤日数は11日に達しないため7~2月の平均額面

3月分は査定に入らないため計算通りに休みに入るか、10日を超えないように有給を使っても良いでしょう。

・4/25が予定日の場合

3/13から産前休業、3月の出勤日数は11日に達しないため7~2月の平均額面

3月分は査定に入らないため計算通りに休みに入ります。出勤日数が10日を超える場合は有給は使わない方が良いでしょう。月末までまで有給を適用して3月も査定額に入れる方法もあります。

 

産後の手続きとスケジュール

7月下旬に出産をした私の手続き・振込スケジュールをご紹介します。会社は申請に慣れていて迅速な対応をしてくれた場合です。振込までもう少し時間がかかった方もいるようです。

 

申請・振込みスケジュール

7/19 出生

7/31 [区役所]出生届等提出

8/2 [会社]手当関係の書類一式郵送

8/31[健保] 出産育児付加金着金※

9/1 [区役所]港区出生手当郵送※

10/15 [区役所]港区出生手当着金※

10/19 [会社]記載内容に関する確認書・申請等に関する同意書返送

10/31 [健保]産休手当着金

12/25 [健保]育休手当着金日(初回)

1/15 [会社]育児休業付加金支給決定通知書到着

※健保独自の出産育児付加金、港区独自の出生手当です。加入の憲法やお住いの市区町村によって変わります。

 

提出書類

産後療養が必要な状態そして新生児を見ながらの申請はかなり大変です。産前にできるだけ進め、パートナーなどがわかるようにしておきましょう。特に病院に書いてもらう、直接支払い制度の書類は入院時に渡せるようにしましょう。(書いてもらうのにお金もかかります)

①役所

出生届、児童手当、子ども医療証
・出生届
病院の出生届と母子健康手帳、届出人の印鑑、保険証、預金通帳
・児童手当
認定請求書、本人確認書類、個人番号確認書類(申請者)、請求者名義の普通預金口座のわかるもの (通帳やキャッシュカードの写し)
・子ども医療証
乳幼児・子ども医療証交付申請書、子どもの健康保険証の写し、本人確認書類
(※申請時に子どもの健康保険証が提出できない場合は、お手元に届き次第、子どもの健康保険証の写しを提出してください。子どもの健康保険証の写しを確認後、子ども医療証を発行します。)

②会社

・産後休業届、育児休業申出書
・母子手帳のコピー(出生届出済証明書)
・出産育児一時金申請書/出産育児付加金申請書
・直接支払制度合意文書の原本、領収書・明細書のコピー
・出産育児手当金申請書
・保険「被扶養者(異動)届」「被扶養者現況表(子用)」

産前産後の制度やよくある疑問

なぜか知りたい情報がまとまっていない産前や産休育休の制度について。会社から説明がある場合も多いですが、中には知らずに休みに入ってしまう場合も。実体験をもとにご紹介します。(会社によって異なることがあるかもしれません)

 

妊婦のための制度など

・悪阻や切迫流産で欠勤した場合の傷病手当受給

悪阻や切迫流産で自宅療養や入院が必要となり4日以上欠勤した場合、傷病手当金を受給することができます。4日以降の欠勤について標準報酬月額の6割が健保より支払われます。(土日も欠勤に含む)1~3日は有給を使用できますが4日以降で適用すると傷病手当金を受給できません。

 

私の勤務先独自の制度ですが、程度は異なっても用意されている場合があるかと思います。

・妊娠検診時 遅刻早退免除

妊産婦のための保健指導や健康診査を受けるために遅刻/早退をした場合、制限内であれば勤怠成績に反映しない制度です。(ボーナス減額にならない)私の会社の場合は以下でした。
妊娠~23W 4週に1回
妊娠24~35W 2週に1回
妊娠36W~ 1週に1回
産後1年以内 4週に1回

・勤務中の休憩

体調がすぐれない時に休憩室で休憩ができる制度です。私の会社では1日につき30分以内の病気休養は就業時間として扱われました。

・始業就業時間の調整

通勤時の混雑が母体の負担になると医師に認められる場合は、始業時間を30分繰り下げ、終業時間を30分繰り上げることができます。

 

休業中の制度など

・社会保険料の免除

産休・育休中は社会保険料の支払いが免除されます。免除は2歳までのため、3歳以降も休業できる会社の場合は振込をします。一方で住民税は支払う必要があります。

・ボーナスの支給

産休・育休中でも算定期間中働いた分だけ支払いがあります。その場合も社会保険料が免除されます。

・確定拠出年金(401K)の拠出

産休中の事業主掛金は拠出されますが、育休中は休止されます。(当該月の初日から最終日まで全て育児休業期間に当てはまる月は中断)

・産休・育休中の勤務

産前休業は働けますが産後休業は働けません。育休中になれば条件内で手当をもらいながら働くことができます。全額手当をもらいながら働く条件は、勤務日数が10日以内、給料が賃金月額が手当と合わせて80%を越えないようにする必要があります。つまり給付額が67%の間は13%分、50%の間は30%分です。また副業の勤務は日数はカウントに入りませんが、賃金は合算になるため注意しましょう。

・有給の適用

有給や夏季休暇なども支給があり適用できます。

 

復職後の制度など

・社会保険料の見直し

復職して給与額が下がった場合に、復職後3ヶ月間の報酬月額の平均によって標準報酬月額の改定を行うことができ、復職後5ヶ月目から見直し後の社会保険料となります。

・養老特例

子供が生まれてから3歳に達するまで、標準報酬月額が下がっても下がる前の標準報酬月額で厚生年金の額が計算される制度です。時短勤務でなくても申請可能です。
特例中に次の子供が生まれた場合は、一人目と二人目の従前の標準報酬月額を比べ、高い方の標準報酬月額で計算されます。
調べてもあまり情報がまとまっていない産休・育休手当事情、参考になりましたら幸いです。